結膜弛緩症(よくある目の病気 34) | 京橋クリニック眼科は大阪市都島区、京橋駅前の眼科専門のクリニックです。

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目の病気一覧

結膜弛緩症(よくある目の病気 34)

シリーズ 「よくある目の病気」

第34回は結膜弛緩症 (けつまく しかんしょう) のお話です。

 

結膜弛緩症とは、白目の粘膜部分(結膜)が弛緩し、たるんだ状態のことをいいます。

結膜には適度なゆるみがあり、上下左右など眼球運動がしやすいようになっています。

このゆるみが強くなった状態が結膜弛緩症です。

ゆるんだ結膜下眼瞼(下まぶた)に沿って存在し、程度の強い場合は黒目(角膜)へ乗り上がっていることもあります。高齢者に非常に多くみられます

 

 

【症例】

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86歳男性。右眼が涙が出る、うっとおしい。

下方の白目の粘膜(結膜)が著明に弛緩している。

下方だけでなく、よく見ると上方の結膜もたるんでいる。

程度の強い結膜弛緩症と考えられる。

 

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87歳男性。ショボショボする。

目頭と目尻の部分の結膜が弛緩し、何重にも重なって占拠している。

ドライアイ結膜弛緩症を認める。

 

 

【症状】

ショボショボする、ゴロゴロするなどの異物感や不快感涙がこぼれる涙があふれるなどの症状がみられます。

ゆるんだ結膜はまばたきや眼球運動に伴い動くため、ショボショボゴロゴロといった不快感の原因になります。

正常な状態では下眼瞼(下まぶた)と眼球の間のくぼみに涙は溜まっており(涙液メニスカス)、まばたきすることによって、溜まった涙を引き上げ角膜を保護しています。

結膜弛緩症が起こるとゆるんだ結膜が本来涙がたまる場所を占拠してしまい、涙が溜まる場所がなくなってしまいます。このため涙が不足し、ドライアイが生じます。

さらに溜まるべき涙が押し出され、目尻からこぼれるという現象が起こります。高齢者が涙がよくこぼれる、涙があふれるという症状を訴える場合、かなりの頻度で結膜弛緩症が生じています。

 

 

【原因】

原因はよくわかっていませんが、加齢とともに増える傾向があり、皮膚にできる皺のようなものと考えられています。コンタクトレンズの使用により負担がかかり悪化することもあると言われています。

 

 

【治療】

症状に応じて、人工涙液角膜保護薬抗炎症薬などの点眼薬を処方をします。

症状が強い場合には、手術を行う場合もあります。ゆるんだ結膜を引っ張り縫い付ける手術や、ゆるんだ結膜を切除する手術などがあります。

 

 

(監修  京橋クリニック院長  佐々原 学)