シリーズ 「よくある目の病気」
第33回目は翼状片 (よくじょうへん) です。
【症例】
44歳男性。左眼の鼻側結膜の組織が角膜に侵入している(翼状片)。
視力は良好。自覚症状もない。
25歳女性。右眼の鼻側結膜の組織が角膜に侵入している(翼状片)。
視力は良好。自覚症状もない。
【症状】
主に角膜(黒目)のサイドの位置にある結膜(白目)の組織が、角膜に侵入してくる病気です。
自覚症状がないことも多いですが、異物感、乾燥感、充血などを自覚する場合もあります。
進行すると角膜に歪みが生じ、角膜乱視が発生し、視力が低下してしまう事もあります。
角膜中央(視軸)まで及んでしまうと、重篤な視力障害を起こします。
【原因】
原因は不明ですが、加齢や環境因子として紫外線が考えられています。
南国で生活されている方、屋外での仕事をされている方(漁師、農家など)に発症率が高いと言われています。
【治療】
翼状片が小さいうちは美容的な問題を除き、基本的に放置していても問題ありません。
充血や異物感が強い場合は、症状に応じて角膜保護剤、非ステロイド性抗炎症剤、ステロイド剤などを点眼します。
翼状片が進行し視力障害が起きている場合や、見た目など美容上の要望があるときは手術となります。一般的に翼状片は手術後の再発率が高いので、注意が必要です。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)