上輪部角結膜炎(よくある目の病気 24) | 京橋クリニック眼科は大阪市都島区、京橋駅前の眼科専門のクリニックです。

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上輪部角結膜炎(よくある目の病気 24)

シリーズ 「よくある目の病気」

 

第24回は上輪部角結膜炎(じょうりんぶ かくけつまくえん)のお話しです。

 

輪部とは、角膜(黒目)と眼球結膜(白目)との境界部分のことを言います。

輪部に炎症が起きると、輪部角結膜炎となります。

上輪部とは、輪部のうち上側の部分ですが、普段の状態では上まぶたに隠れて見えません。

上輪部に炎症が起こると上輪部角結膜炎となります。

 

 

【症例】

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23歳女性。充血とゴロゴロする異物感を主訴に来院。コンタクトレンズ装用者。

角膜の上方の結膜が充血している。

 

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同じ症例のフルオレセイン蛍光顕微鏡検査。

角膜結膜の境界(輪部)が緑色に染色されており、その部位に炎症が生じているのがわかる。

 

 

【症状】

充血したり、涙が出たり、ごろごろするなどの異物感痛みなどの自覚症状が出ます。

医学的所見としては、上方の眼球結膜角膜びらん(傷ができる)がみられます。

重症化すると糸状角膜炎を併発することもあり、目が開けられないなどの症状を伴うこともあります。

 

 

【原因】

まずコンタクトレンズを常用しているかどうかが重要です。

コンタクトレンズを常用している場合、コンタクトレンズと角結膜の接触・摩擦が原因と考えられます。

コンタクトレンズを使用しない方の場合、ドライアイ眼瞼結膜(まぶたの裏側)の結膜炎を合併していることが多いです。

また甲状腺機能亢進症を有している方も、2割くらいいると言われています。

 

 

【治療】

コンタクトレンズ常用者では、まずコンタクトレンズの装用を中止します。

上輪部角結膜炎が治ったあとにコンタクトレンズの装用を再開しますが、同じレンズを同じように常用すると再発することが多いので、接触摩擦を低減するようなコンタクトレンズに変更する場合があります。

点眼治療は、そのときの所見に応じて角膜保護剤や、ドライアイ治療薬抗炎症薬抗アレルギー薬などを使用します。場合によっては、眼軟膏の使用も行います。

 

 

(監修  京橋クリニック院長  佐々原 学)