シリーズ「よくある目の病気」
今回は化膿性結膜炎(かのうせい けつまくえん)です。
【症例】
淋菌による化膿性結膜炎(成人)。
眼科診察プラクティスより抜粋。
【症状】
眼脂(めやに)が黄色っぽく、膿(うみ)のような感じ(膿性)で、多量に出るのが特徴です。
瞼結膜(まぶたの裏側の結膜)は、強い充血と浮腫を示します。
ひどい場合には、細菌性角膜潰瘍(さいきんせい かくまくかいよう)ができ強い眼痛が出ます。最悪の場合は眼内炎に至る場合もあります。
まれですが、菌血症(きんけっしょう)や髄膜炎(ずいまくえん)などの全身の病気に至る場合もあります。
【原因】
細菌感染によって起こる結膜炎です。代表的な原因菌は淋菌です。
その他に原因となる細菌には、髄膜炎菌、ブドウ球菌、クラミジアなどがあります。
【治療】
炎症の原因となっている菌の特定をおこない、それらの菌に有効な抗生物質の点眼薬、軟膏を使用します。
起炎菌(原因となる菌)が不明の場合は、抗菌スペクトルの広い抗生剤を使用します。
淋菌による結膜炎は泌尿生殖器感染から伝播(でんぱ ※うつる)しておこるため、必ず本人ならびにパートナーについてこれらの疾患の有無の検査が必要となります。
新生児の場合は、母親の検査、治療が必要になります。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)