シリーズ 「よくある目の病気」
12回目は眼瞼皮膚炎(がんけん ひふえん)です。
【症例】
47歳男性。アトピー性皮膚炎あり。
下まぶたの腫れ、かゆみ、めやにを訴えて来院された。
広範囲に炎症を起こしている。
73歳女性。
上まぶたの腫れ、かゆみを訴えて来院された。
2週間前にも同じ症状になり、繰り返すという。
まぶたの皮膚側に炎症を起こしている。
【症状】
目の周りの皮膚部分(まぶたの表面側)に発赤(赤くなる)、腫れ、小水疱(しょうすいほう 小さな水ぶくれ)、などができます。かゆみ、場合によっては痛みが出ることもあります。
【原因】
いくつか原因があります。
① アレルギー性
薬物、化粧品、植物、点眼薬や軟膏の防腐剤など。
② 感染性
ヘルペスウイルスなど。
③ アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の患者さんで、目の周りに炎症を起こす頻度は高いです。
【治療】
原因に合わせて、治療法を変えます。
① アレルギー性
アレルギーを引き起こしている原因物質を特定(パッチテストなど)します。
ステロイド眼軟膏や抗アレルギー薬の内服投与など。
② 感染性
ヘルペスウイルスが疑われる場合は、抗ヘルペスウイルス薬の眼軟膏、及び内服薬。
その他細菌性などが疑われる場合は、抗生物質入り眼軟膏を使用します。
③ アトピー性皮膚炎
抗生物質とステロイドの両方入った眼軟膏をよく使用します。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)