シリーズ 「よくある目の病気」
第11回は、眼角眼瞼炎(がんかく がんけんえん)です。
眼角(がんかく)とは、目頭と目尻のことをさします。
眼科では、目頭を内眼角、目尻を外眼角とよんでいます。
眼角眼瞼炎とは、この眼角部に起こる炎症のことをさします。
眼瞼皮膚は、人体の中でも皮膚の厚みが最も薄いと言われおり、元々、炎症や腫れが起こりやすい部分です。
高齢者やアトピー性皮膚炎患者さんによく起こる病気です。
【症例】
54歳女性。左眼の外眼角に炎症が起こっている。
まつげも当たっていた。
78歳女性。両眼の外眼角に炎症が生じていた(写真は左眼)。
【症状】
痒み(かゆみ)やヒリヒリするような痛み、発赤(赤くなる)、腫れ、眼脂(めやに)などが挙げられます。
【原因】
原因としては、感染性によるものと非感染性のものに分けられます。
感染性によるものとして、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が原因として挙げられます。
非感染性によるものとしては、アトピー性皮膚炎、薬品・化粧品によるアレルギー、まつげが継続的に当たることによる物理的刺激、などがあります。
【治療】
病変部に抗生物質入りの眼軟膏を塗布します。
また、抗炎症薬入りの眼軟膏も有効です。
抗生物質の点眼薬を併用することもあります。
再発防止にはビタミンB6の内服も有用とされています。
高齢者では清潔指導、まつげが当たっている人ではまつげの抜去を行います。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)