シリーズ 「よくある目の病気」
第10回は眼瞼縁炎(がんけんえんえん)について取り上げたいと思います。
【症例】
※眼疾患診療ガイドより抜粋
まつげの生え際が赤くただれている。分泌物も多い。
感染性の眼瞼縁炎が疑われる。
※眼疾患診療ガイドより抜粋
まつげの生え際に黄色い分泌物がたまっている。
脂漏性の眼瞼縁炎が疑われる。
【症状】
眼瞼縁炎とは、睫毛(まつげ)の生え際にかゆみが出たり、赤くただれたり、発疹が出たり、かさぶた(痂皮)ができたりする病気です。
重症になると、睫毛の一部分が生えてこなくなったり、皮膚が分厚くなったりして、まぶたの形が変形してしまうこともあります。
【原因】
黄色ブドウ球菌など細菌が睫毛の根元で感染することにより起こる感染性(化膿性 かのうせい)のものと、皮脂腺の分泌過剰による非感染性(脂漏性 しろうせい)があります。
【治療】
感染性でも非感染性であっても、まずは分泌物やかさぶたなどを除去し、睫毛の生え際を清潔することが大事です。
感染性の場合、抗生物質の点眼薬や軟膏の局所治療を行います。効果が十分でない場合は抗生物質の内服薬を投与する場合もあります。
非感染性の場合は症状のある部分を清潔にしておくことが主な治療になります。
睫毛の毛根部の分泌物を取らないと悪化しやすいので、1000倍希釈のベビーシャンプーやアイシャンプー、眼瞼炎専用クリーナーなどで清浄化します。ステロイドの点眼薬や軟膏を使用することも多いです。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)