シリーズ「よくある目の病気」
第8回は麦粒腫(ばくりゅうしゅ)のお話しです。
一般的には、「ものもらい」 「めばちこ」 「めいぼ」などと呼ばれる(地域によって異なる)ものです。
前回お話した霰粒腫(さんりゅうしゅ)と似ていますが、異なる疾患です。
【症例】
※「目で見る眼疾患」より抜粋
【症状】
眼瞼(まぶた)の痛み、発赤(皮膚が赤くなる)、腫脹(まぶたの腫れ)などを伴い、化膿が進むと膿がたまります。比較的若い年代に多いのも特徴です。
【原因】
※「目で見る眼疾患」より抜粋
眼瞼にある眼瞼内分泌腺の細菌感染による化膿性の炎症です。
眼瞼内には分泌腺があり、眼瞼内の外側にあるZeis腺(脂肪を分泌する脂腺)やMoll腺(汗を分泌する汗腺)、まつげの根元に炎症をおこしたものを外麦粒腫(がいばくりゅうしゅ)といいます。
内側のマイボーム腺(Meibom腺。涙の蒸発を防ぐ為の油分を分泌する脂腺)に炎症をおこしたものを内麦粒腫(ないばくりゅうしゅ)といいます。
【治療】
抗生物質と炎症止めの点眼薬を処方します。
炎症が強い場合には抗生物質の内服薬投与をおこないます。
化膿し膿がたまっている場合には、切開や針でつくなどの膿を出す処置を行うこともあります。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)