シリーズ 「よくある目の病気」
第7回は霰粒腫(さんりゅうしゅ) です。
霰粒腫とはまぶたにできる球状のできものです。
似たような病気として、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)があります。
一般的には「めばちこ」「めいぼ」「ものもらい」と表現される場合もありますが、
霰粒腫は麦粒腫と異なり、無菌性です。
※麦粒腫に関しては、次回のブログにて御説明致します。
【症例】
22歳女性。下まぶたの裏側にできた霰粒腫。
触ると痛みがあり、結膜も充血しており、急性炎症を伴う霰粒腫と思われる。
【症状】
まぶたの表面や裏側に、腫れ、しこり、異物感などが起こります。
典型的な場合は、触っても痛みがなく、皮膚も赤くなりません。
しかしながら、急性の炎症を伴う場合もあり(急性霰粒腫)、
この場合は、痛みが出たり、皮膚が赤くなったりといった症状が出て、麦粒腫の症状とよく似ているため、判別が難しくなります。
【原因】
まぶたの中には瞼板(けんばん)という固い板状の組織があり、この瞼板の中にマイボーム腺という油を分泌する腺があります。この油は涙の蒸発を防いだり、目の異物感(ゴロゴロなど)などが起きないように潤滑剤として働きます。
このマイボーム腺からうまく脂がでず詰まることがあり、霰粒腫となります。
※「目でみる眼疾患」より抜粋
【治療】
炎症症状のない場合は自然に吸収されるのを待つこともあります。
症状の程度によっては点眼薬や内服薬よる薬物治療を行います。
また、薬物治療で改善のみられない場合は、手術を行う場合もあります。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)