シリーズ「よくある目の病気」
第2回は睫毛内反 (しょうもう ないはん) です。
【症例】
9歳の女の子。下のまつげが反り返り、黒目に当たっている。
上の写真と同じ症例のフルオレセイン染色による細隙灯顕微鏡検査。黒目(角膜)に多数の傷(びらん)が生じている。
【症状】
まつげ(睫毛 しょうもう)が内側(黒目の方)に向いて生えている状態を睫毛内反と呼びます。
黒目(角膜)にまつげがあたり、角膜に傷をつけてしまいます。
角膜に傷がつくと、コロコロ、チクチクといった痛み、充血、涙がでる(流涙)、などの症状が出ます。
ひどい場合には視力障害をおこす場合もあります。
【原因】
生まれつきの場合が多く、日本人では乳幼児期に多くみられます。
睫毛(まつげ)が内側に反り返り、睫毛の先端が角膜にふれることにより角膜に傷をつけてしまいます。
下眼瞼(したまぶた)、ことに内眼角(鼻側)寄りにみられることが多いです。
【治療】
乳幼児の睫毛内反は成長するにつれしだいに外を向いてくることが多いので、
まずは自然に経過をみます。
睫毛内反の程度の強い場合には、手術を行うこともあります。
※程度の判定は角膜のびらん(傷)の部位、範囲、視力障害などを基に行います。
(監修 京橋クリニック院長 佐々原 学)